溺れるくらいの恋を…君に
盲目
「百合愛、後は?」
「え?もういいよ!」

休日。
二人は、街へショッピングに出掛けていた。

「えーー!まだ買ってあげたい」
(いやいや、買いすぎだよ!)

「水瀬くんはないの?」
「そうだなぁ。
…………水着!」

「み、水着!?」

「そ!
今度、プール行こ?」

「プール?」
「うん!ナイトプール!
百合愛、行きたそうだったし」
「え━━━!!?」
(な、なんで、バレてるの?)

「テレビ、見入ってただろ?」
「うん////」

「だから、連れてってやる!」


それから二人共水着を購入し、水瀬のマンションに向かう。
「━━━━━プール、楽しみだな!」
「うん////」

ソファに座り、百合愛を膝に乗せている水瀬。
後ろから抱き締め、頬をすり寄せて幸せそうに笑う。

「………水瀬くん、ありがとう!」
「ん?」

「私、よく考えたらろくな恋愛してなかった。
“デート”っていうのも、水瀬くんが初めての人だし。
こんな風に包まれるのも、初めて!
水瀬くんは、私に色んな“幸せ”を与えてくれる!
だから、ありがとう!」
振り返り、微笑む。

「何言ってんの?」
「え?」

「まだまだ、終わらないよ?
俺はまだ、半分も与えてない。
もっと、もっと、もーっと幸せをあげるよ!
言ったよな?
溺れさせてやるって!」
「もう、溺れてるよ?(笑)」

「まだまだ!こんなもんじゃない」
「フフ…でも、こんな幸せ過ぎるのも怖いな……」

「いいんだよ?
今まで、辛い思いばっかしてきたんだから!」
「うん…そうだね……」
切なく瞳が揺れる。

「百合愛、キスしよ?」
「え?」
「キ、ス!しよ?」
「うん━━━━━ンンン……っ…はぁ…」

「ん……もう、一回……」
「ん…っん……はぁ…だめ…」

「フフ…もしかして…したくなってる?」
「あ////いや…////」

「へぇー(笑)じゃあ、もう一回しよ?」

「え////あ、いや、もう…////」
「ん?じゃあ、しよ?」

「え━━━━んんっ……ぁ…っあ…」
(だめ…ほんとに、身体が……)

「………フッ…百合愛のキス顔、えっろ!」
(百合愛のキス顔って、結構クるんだよな~
俺の方がヤりたくなる……)
口唇をなぞりながら、水瀬の方が劣情を煽られるのだった。
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