推しとか恋とか青春とか。
「そっか。僕もそろそろ本気出さないと後で痛い目見るよね」



と散らばった花火を回収していく真留君のお手伝いをしようと手を伸ばした時、真留君と手が触れた。



「っ、……」


「ゆに、」



真留君はそのままわたしの手を掴むと、そっと視線を絡めてこう言った。



「僕、そろそろ本気出してもいい?」







今日で夏休みが終わる。


あれから今日まで毎日、本当に学君から宿題が送られてきた。


ただ、その宿題は学君の優しさが含まれていたようで、どれもわたしが解ける程のレベル。


学君とのやり取りはその宿題のみ。


余計なやり取りは一切ない。


そこがまた学君らしいんだけど。
< 103 / 326 >

この作品をシェア

pagetop