推しとか恋とか青春とか。
家庭科部…?なるほど。


でも家庭科部って誰がいるんだっけ??



「紗枝ぇ〜…、」


「3組の池田君が妥当だと思う」


「池田君?」


「知らない?家庭科部と言えば池田君よ。すっごく料理上手なんだって。もちろんお菓子作りもね」


「へ〜?そうなんだ?3組…池田君…」


「池田がどうしたの?」



見ると、体育から戻って来た真留君が立っていた。



「おかえりっ♪体育どうだった?バスケだったんだよね?」


「バスケは嫌い。僕、運動全般苦手」



と首から下げたタオルで汗を拭き取る真留君。



「それに比べて、がっくんはほんとにすごいよ。何回もシュート決めちゃうんだもん。何回もボール横取りされたぁ」



半泣きの真留君にヨシヨシをしてあげたいところだけど、ここでそんなことをしたら紗枝に冷めた視線を送られるだけだろうからしない。


…紗枝に教えてもらった池田君、後でこっそり会いに行ってみよう。
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