Never Forget You
こうやって二人だけで歩くのはいつぶりだろう?

子供を産んでから初めてじゃないかな。

ママやパパはいつでも睦海を預かってくれると言ってくれていたけど、レースや仕事で子供を預けても二人きりになる事がなかった。



「真由、ほら見て」

そーちゃんは子供のような無邪気な笑顔で足元を指差した。

「すごいピンク色の貝殻!」

「ホントだ!!」

私はそれを手に取る。



こういう事、前にも。

…ああ、拓海くんと来た時か。

私はそーちゃんに気付かれないようにため息をついた。
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