愛を欲しがる幼なじみは可愛い妻と我が子を手に入れたい
エピローグ
 入籍一年後に娘を授かった。

 日曜日の午後、小学二年生になる娘の青葉(あおば)は、リビングのテーブルで何やらノートに書き溜めている。

「凄くいっぱい書いたね」

「うん、ハムちゃんについて調べてるんだよ」

「ハムちゃん?」

 青葉はタブレットと睨めっこしながら、ハムスターについてノートにまとめていた。

 ハムスターの種類、性格、暮らし方など……。

 自宅のプリンターで気に入っているハムスターの種類の写真を出力し、何枚も印刷している。

 ハムスターの形に合わせて切り取り、のりで貼り付け、種類の名前を書いていた。

「パパがね、ハムちゃんについて、ちゃんと調べて、それでちゃんと青葉がお世話できるなら飼って良いっていったの。だから、青葉は調べてるんだよ」

「そうだったんだ」

 青葉から常にハムスターを飼いたいとお願いされていたが、うさぎの件があって、私には抵抗があった。

 適当にはぐらかしていたのだが、私が聞いてくれないと諭した青葉は、叶にお願いしたみたいだ。

「今日、全部調べたら、夜にはハムちゃんがお家に来るかな?」

「うーん、それはちょっと無理かもしれないね……」
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