愛を欲しがる幼なじみは可愛い妻と我が子を手に入れたい
変わりゆく日常
 お試し婚を始めて一週間が経過。

 私は家事や引っ越しの片付けをしたり、叶は出社したり、在宅ワークで仕事をしていた。

 初夜からずっと、同じベッドに寝るようになる。

 その日の気分で叶のベッドだったり、私のベッドだったり。

 とりわけ進展はないが、叶が腕枕をしてくれたりスキンシップをとっている。

 徐徐に近距離に居ることや不意に触れられたりすることにも慣れて、いつの間にか緊張しなくなっていた。

 寧ろ、心地良くて温もりが愛おしくなった。

「恵ー!」

「どうしたの? そろそろ休憩する?」

 自宅で仕事をしていた叶が椅子に座ったままで背伸びをしながら、私を呼んだ。

 私は昨晩に宅配便で届いた購入した食器をダンボールの箱から出す作業をしていたが、手を止めて叶の元に近寄る。

 叶は窓際にあるワーキングスペースに座り、窓の外を眺めていた。

「恵、カフェオレをお願いしたい」

「直ぐに作るね」
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