愛を欲しがる幼なじみは可愛い妻と我が子を手に入れたい
 小料理屋で働いていた時は定休日しか休みがなく、疲れてしまい、ごろごろして過ごしていたため、昼間に駅前に来たのは久方ぶり。

 今まで働き詰めだったので、少しくらい羽を伸ばしても良いだろうか?

 私は買い物がてら、時間の許す限りは自分の時間として費やすことにした。

 ***

 オフィスカジュアル的な洋服は三着いただいたので、デート用のトップスとスカートと靴も購入してしまった。

 今まで買わなかった反動からか、最後のお給料を残していた分から購入。

 最後のお給料はいつもより遥かに少なくて、スマホ代などの必要な支払いをしたら三万程度しか残らなかった。

 半分は朔君へのお祝いに残しておき、もう半分の残ったお金は来月分に回そうとして貯金していたのだが、全部使ってしまった。

 貯金していた分もお店に注ぎ込んでしまったし、残りの一万五千円を盛大に使ってしまったことに罪悪感もあったが、頑張ったとご褒美として割り切る。

 現在の生活費は叶に面倒を見てもらっているが、だからと言って派手な私生活をしたいわけでもないし、楽をしたいわけでもない。

 いずれは少しでも働きたいと思っている。
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