2番ではダメですか?~腹黒御曹司は恋も仕事もトップじゃなきゃ満足しない~
「じゃあ、アイツが諦めるまで、明日美が俺の婚約者のフリをしてくれればいい」

「……は?」

もぐもぐとピザを一ピース食べきり、口をすすぐように部長がワインを飲む。
今までよりは若干理解はできるとはいえ、やはりわけのわからない提案にまた、私は部長の顔を間抜けにも見つめていた。

「待ってください。
婚約者のフリって……」

「フリだからいいだろ。
アイツが諦めたら、やはりあわなかったとかなんとか理由をつけって、婚約を破棄すればいい。
なんか問題あるか?」

ぐいっと顔を近づけ、真っ直ぐに部長が私を見据える。
レンズの向こうの瞳はまるで脅すようで、おかげで視線が定まらずあちこちを向く。

「な、ない。
……です」

それ以外の答えはどこを探しても見つからなかったので、結局そう答えるしかなかった。
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