【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?
「……アスター王子、わがままを申し上げますが…ひとまずローズ嬢だけでも保護できませんか?このままこの屋敷にいては、彼女にとって良くない気がしますし、話を聴いてみたいのです」
驚くほどすんなりと、そんな言葉が口を突いて出た。
すると、なぜかトムソンまで加勢してくれる。
「アスター殿下、俺からもお願いします。俺にまで助けを求めてきたならば…よほど切羽詰まっているはずです」
トムソンはアスター王子に向かって膝をつき、頭を下げてまで懇願した。なぜ、一度絡んだだけの相手をそこまで思うかはわからないけれども。きっと彼なりの事情があるんだろう。
わたしとトムソンからの願いを、アスター王子はきちんと汲み取ってくれた。
「……そうだな。ローズ嬢の疑惑へのかかわりはわからないが、ひとまず話を聴くための任意同行という形にしておこう。王宮ならば親も下手に手出しできないだろう」
『ありがとうございます!』
思わず、トムソンと同時に感謝の言葉を述べてしまった。
「すみません、アスター王子。わたしのわがままで捜査に支障があれば、きちんと責任はとります」
「いや、いい。もとよりローズ嬢への疑念は薄かったし、何より……おまえはわがままというが、ローズ嬢の事を思っての願いだろう?他人を思いやる優しさはわがままとは言わないぞ」
「そう……でしょうか?」
アスター王子はそう言ってくださるけれども、やっぱりこれはわたしの身勝手な思いの気がする。
ゴホン、とアスター王子はなぜか咳ばらいをしてぼそっとなにかを呟いた。
「……それに……珍しくおまえから頼られたなら……応えたくなるものだ」