【完結】捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?
アスター王子に想いを寄せた女性は少なからずいただろう。
銀髪碧眼の美形王子様という条件を抜きにしても、稀代の英雄で物腰が柔らかく、あらゆる能力が優れた完璧な騎士。
(その実変態でもあるけど)
彼に熱烈にアタックしてきたひともいるはず。
それを思うとなんだか胸の辺りがもやもやするけれども…過去は過去だ。もしもアスター王子が他の女性となにかあったとしても、今のわたしにはどうしようもない。
だから、ついついいつもの調子でアスター王子に言ってしまう。
「でも、それでもあなたに言い寄るもの好きな女性もいたのでは?」
「……おい、もの好きって何だ?」
「え、アスター王子変態じゃないですか。それを知られて逃げられたんじゃないですか?」
「誰が変態だ!」
「魔力が原因とはいえ、裸で寝たり寝ぼけて抱きしめてきたり、人の居場所をトレースするストーカー…痴漢に覗きにストリーキング。これで変態でなかったらなんですか?」
「ぐっ…」
ついつい言い負かせてしまったけれども、そんなふうにわたしに合わせてくれる彼が情けなくもかわいらしい。だから、思わず口もとが綻んでしまう。
「……たぶん、わたしくらいでしょうね。あなたのそれを知ってもまだ好きだと言えるもの好きは」