捨てられた男爵令嬢は騎士を目指す2〜従騎士になったら王子殿下がめちゃくちゃ甘いんですが?



婚姻の儀があった今日、呪術師とフィアーナ副王によるゼイレーム大侵攻事件が解決してからちょうど1週間経った。

ことの始まりは、軍事演習を装ったフィアーナ副王による国境侵犯。少しずつ少しずつ、配下の兵をゼイレーム側へ移動させていたんだ。

無論、こちらゼイレーム側も手をこまねいていたわけじゃない。第3王子であり近衛騎士幹部であるアスター王子指揮下のもと、ゼイレームも準備万端に迎え入れた……けれども。言いがかりによる小競り合いを理由に、予想以上の兵力でフィアーナ副王が国境を突破。
その軍事力は、世界有数の大国であるフィアーナの兵力の3割近くの30万というとんでもない数だった。
対するゼイレーム側は5万が精一杯。
ゆえに、ブラックドラゴンを始めとした幻獣達や、お祖母さま達竜騎士の支援がなされた。

首都にある王宮がある王城はソニア妃や高祖母様たちの結界で守護。
けれども。200年もの恨みを持つ呪術師はその結界を突破し、ゴーレムや魔獣兵による襲撃を仕掛けてきたんだ。

まぁ後からソニア妃に訊ねたら、「ちょうど眠くなっちゃって〜結界弱くなっちゃったわ。でも、後から壊れたものは全部元通り戻してあげたからいいでしょ☆」って言われて気が抜け脱力したのは内緒ですがね…。

……なぜ、新しく配属された侍女の出したお茶を毒見無しに飲んだんですか…怪しいことこの上ないんですが。

捕まったもと侍女である暗殺者は「いくら強い毒を盛っても死なないから怖くなった」と証言してるみたいですが…「いつもよりお食事が美味しかったけど、あれ、毒だったの?あらあら〜」とあっけらかんとしていたソニア妃って…やっぱり人外かもしれない。

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