出逢うべくして。You’re the one for me...
必要なものを買って部屋に戻ってくるなり
伊吹くんはお風呂を溜めてくれた。
シャンプーも使わせてもらうの
申し訳ないなって思ってコンビニで
買おうとしたけど、
「俺の使って!めちゃくちゃいいやつだから!」
良いやつなら尚更使えないよ!
というと
「俺と同じ匂い嫌なの??」
...なるほど、そういう考えもあるわけですね。
「それは嬉しいかも...?」
というと伊吹くんは満面の笑みで
「じゃあこれはいらないね〜♪」
と私の手にあったトラベルセットを
商品棚に戻してた。
「わからないと思うから色々説明しとくね!」
そう言って私をお風呂場に連れて行く。
「これがシャンプーでこれがリンス、
これがボディーソープ。んーあとは、
これクレンジングでこれ洗顔、
全部好きに使ってくれていいから!」
あ...。よくモデルさんとかが
使ってるクレンジング...
考えたくはないけれど
高そうなスキンケアが揃っているのを見ると
誰が使ってたの...?
って、心がざわざわして
苦しくなる。
「なぁに、凛花さーん。変なこと考えてるでしょ。
俺心読めるから笑笑
これ全部俺のだからね。
アイドルって仕事でほぼ毎日化粧してんだよ?」
あ、そうなんだ。
何でもお見通しで、
伊吹くんの言葉にほっとする自分がいる。
「あと、この家、親以外で女の人来たことないから。凛花さんが初めて。」
そう言って伊吹くんは私の頬にかかった髪の毛を
耳にかけてくれる。
甘々な伊吹くんに何だか恥ずかしくなって
俯く。