狂おしいくらいの激情を…貴女に
告白
「皆様、準備ができました!」
千草が、リビングで待っていた重富達に言った。

今日は、青蘭の成人式━━━━━━

準備中、重富、富雄、蘭、大路達使用人、そして………絋琉も、リビングで今か今かと待っていた。


千草に手を引かれ、ゆっくり青蘭がリビングに入ってくる。

━━━━━━!!!!?

絋琉達は、青蘭のあまりの美しさに言葉が出ない。

「どう、かな?/////」
少しはにかんで、青蘭が言った。

「お嬢様、とてもお美しい…/////」
大路が、感心したように言った。

「あんな小さかった青蘭が、こんな綺麗になるなんて……
我が娘ながら、惚れたよ////」
「フフ…パパったら!」

「まさに、大和撫子だな……!
青蘭、綺麗だよ!」
「お祖父様…!ありがとうございます!」

その他使用人達も“綺麗…////”とうっとり呟き、見惚れていた。


「充城」
「は、はい…/////」

「フフ…どう?」
「……//////」

“とても綺麗ですよ!”と言いたい。
しかし、口を開けば想いが溢れそうなのだ。


結局感想を伝えることができなくて、今は青蘭を車までエスコートしている。
青蘭の歩幅に合わせ、ゆっくり車まで向かう。

「少し不安だから、車まで手を繋ご?」
と言われ、しっかり青蘭の手を握っている絋琉。

青蘭の小さな手を握ってるだけで、とても幸せな気分になれる。
「充城」
「はい」

「似合わない?私」

「え?」
「充城の感想が聞きたい」

ゆっくり、立ち止まる絋琉。
そして、青蘭を見据えた。
「とても……」

「うん」

「とても…綺麗です」

「ほんと?」

「はい!あまりにも綺麗で、言葉が出ませんでした。
すみません」

「…………良かった…!」
ホッとしたように息をつく、青蘭。
「………出来ることなら」

「え?」

「ずっと、見ていたいです………!」

「充城?」

「━━━━━━お嬢様。
成人、おめでとうございます!」

「…………ありがとう!」


成人式会場へ着く。
後部座席のドアを開ける、絋琉。

「お嬢様、どうぞ?」
絋琉の手を握り降りて、そのまま手を握った青蘭。

「お嬢様?」

「充城、今日の夜…なんだけど………」
心なしか震えている青蘭。
絋琉は、握られた手の上から青蘭の手を包んだ。

「お嬢様、ゆっくり話してください」


青蘭は頷き、深呼吸して口を開いた。
「大切なお話があるの。
…………夜、みんなが寝静まってから私の部屋に来て………!」
< 12 / 28 >

この作品をシェア

pagetop