大事な大切な人

••光希


俺は、シスコンではない。
至って普通の姉弟だと思っている。

異性の姉弟だが
話も良くする方だと思うが
姉の侑華があの男とデキ婚の
挨拶に来てからは、
あまり連絡を取りあっていなかった。

なぜだか、あの里美 裕典と
言う男が、俺の目から見て
胡散臭いやつに見えた。

姉の侑華が、認めた男だと
何度も思ったが
なぜだか関わりたくなかった。

それでも親父と杏叔母さんが
姉の結婚と妊娠を喜んで
結婚は決まった。

母さんの命日と年末年始には、
連絡が来るか
実家に帰省をした姉と
会話はしていたが······

あの男が姉と藍華を迎えに来た時
「こんにちは。おじゃまします。」
と、玄関から
その声にビクッとする藍華をみて
ん?と。

藍華を落ち着かせて
帰ったらラインをするように伝える。

藍華のラインで
何かあると思うが·····
いつでも連絡するように伝える。

患者さんと接してる時は、
出れないが、必ず折り返すから
待つように伝えた。

藍華から着信
看護師に伝えて離れた場所に移動する。
「おじさん、どうしょう?
ママを助けて。
どうして?パパは、どうして?!」
泣きながら話す藍華をなんとか
落ち着かせて
素知らぬ顔で過ごすように伝えた。

中学ニ年の藍華に難しい事を
言っているとは思う。
だが、今は、俺に任せて欲しいと
藍華に根気よく伝えた。

やはり·····あいつは····くそっ。

医学部時代の友人に連絡する。
親父が警察関係者で
顔が広いから調査会社を紹介して貰う。
「光希が頼み事なんて。
腕の良い人を知ってるから。」
と、理由をきかずに紹介してくれた。

ありがたい。
早速、電話して病院の近くで合うことにした。

きちんとわかってから動く。
一週間下さい。と言われたから
お任せした。
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