大事な大切な人
6️⃣回想④

渚は、呆然としていた。
回りの野次馬は、
おもしろがっている奴らと
本当に嫌悪している奴らもいた。

俺は、立ち上がり
渚の腕を引いた。

【 どこいくの? 二人で? 】
【 不倫 続けるんだ? 】
【 キモ? 】
【 馬鹿だよね? 本当に 】
【 最低 】
と、口々に言われ·····

渚は、泣きだし

【 何であんたが泣くのよ。
泣きたいのは、さっきの娘でしょ!! 】
と、声が飛び交う中

渚を連れてその場を後にする。

泣き止まない渚を
放置もできずに
渚のアパートとへ行き
泣き続ける渚の側にいた。

泣き疲れたのか渚は、
そのまま眠ってしまった。

藍華と侑華の弟に見られるなんて
と、思いながら夜中に
アパートへと戻り
電気をつける·····

少しの違和感が·····
藍華の部屋のドアが少しだけ
開いていた。
触ったかな?と思いながら
ドアを開けると
藍華の机の上の物がない。
かけてある洋服も無くなっていた。

まさかと
侑華の荷物をみると
クローゼットがスカスカに。
化粧棚もスカスカ。

どうする?
もう、無理か····
と、一人考えながら
藍華の顔が目に浮かぶ

まるで、汚いものをみるような
嫌悪·····呆れ·····悲しみ·····怒り······

ビールを飲みながら
  切れている口がしみる。
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