大事な大切な人
1️⃣7️⃣想いを伝える
侑華を自分の車に乗せた。
「本当に美味しかったし
素敵なカフェに連れて来てくれて
ありがとうございます。」
と、言う侑華に
俺もお礼を言った。

倒れた時から自宅に帰ってからの
看病に。
それから、あの女・夏子の話もした。
助けたくても助けられない命を
沢山見てきて
自分の中で均等が取れなくなり
酷い生活をしていたときの
女性だったと
侑華は、悲しく辛い顔をしていた。

「心も荒んでいて
侑華にあの時酷い事を言った。
すまなかった。
あの時、侑華に叱られて
なんて、事を言ったんだと
途方に暮れ改めて
医療従事者として
頑張りたいと思った。
こんな俺だけど
一緒にいてくれないか?」
と、言った。
「あの女性といた時
悲しかった。
でも、私はバツイチなんだ。
子供も一人いるの。
藍華と言って今 看護学校に
行ってるの。
佐々木君には、独身でもっと
素敵な人がいるよ。
私でなくても。」
と、言う侑華に
「離婚したのも娘さんがいるのも
知っている。
離婚理由まではしらないが。
俺は、侑華が良いんだ。
他の女性が良いなら
初めから侑華に気持ちは伝えない。
侑華は、もう誰とも一緒に
なるつもりはないのか?
前の
と、言おうとすると
「ない。ないよ、絶対に。
前の夫とか。」
と、かぶせて言われて
一度目の浮気
二度目の浮気
その間の戦い苦しみ
娘さんが浮気の現場をみて
話し合いが行われた事までを
話してくれて。
実は······と
元夫に触れられ嫌悪感やふるえ
吐気があって······
だから無理だ····と

なんなんだそいつは?
と、見たことのない男に
怒りが湧く。

だが、本当に俺自身が嫌なら
諦めるしかないが······

侑華は、辛かった日を
思い出したのか
悲しい顔をしていた。
「嫌な事を思い出させて
すまない。」
と、言うと首を横にふる侑華を
俺はそっと抱きしめた。

少し力が入ったが
そのままいてくれた。
「怖くないか?
吐気はないか?」
と、訊ねる俺に
首を横にふる侑華に
「侑華。俺は諦めない。」
と、伝えた。
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