気づいたらそこは沼だった
すると早速お返事がきて

「来週の木曜日なら夕方から空いてるって!」

嬉しさのあまりそのまま伝えると

「すっごい笑顔。じゃあ木曜日有給申請出せば?」

「急な有給申請通るかな…」

「やってみないと分からないでしょ。」

まぁチナツの言う通りだなと思って

「お休みが取れるか明日聞いてみる!」

と送ると直ぐに電話が掛かってきて

「え、なんで?ツバサから電話!」

「いいから早く出なって!切れちゃうよ?」

驚きと焦りのまま通話ボタンを押すと

「ふぇい?」

変な声が出てしまった。

「もしもし?アイリ?休み取れるか聞いてみるってどういうことなん?仕事は?」

「あっと…まだ確定ではないけど、有給取れるか聞いてみようかなって。」

「あ、そっか。会社員は有給あるのか。」

「うん、前は私に合わせてもらったし、気持ちゆっくりできる日の方がいいかなって…」

「それいつ分かるん?」

「明日早速聞いてみようと思ってるけど?」

「んじゃあ分かったらすぐ教えて。ごめん、まだ撮影中だもんでまた連絡するわ」

ツーツーといきなり切れた電話になんだか笑ってしまう。

「やっぱり付き合うの時間の問題だね」

隣にチナツが居ることを忘れていた。

「そんなに変だった?私」

「幸せそうだった。話してる途中も切れた後も幸せそうだった」

なんだか照れくさい気もするが、優しい顔を向けられて

「ありがとう?」

とお礼を言った。
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