可愛がってあげたい、強がりなきみを。 〜国民的イケメン俳優に出会った直後から全身全霊で溺愛されてます〜
 この人は、どうしていつでも、これほどの悦びを与えてくれるのだろう。

 わたしは感極まって、彼に飛びつかんばかりに抱きついた。

「命が尽きるまで、ううん、命が尽きても宗介と一緒にいる」

 わたしの言葉に極上の笑みで応えた彼はわたしを抱きすくめ、そして、唇を重ねた。

 それから乱暴に薔薇の花を払い落とし、わたしの背に手を回してそっと横たえた。
「愛してるよ、郁美」
「待って」
 わたしは起き上がり、指輪をケースに収め、サイドテーブルに置いた。

 ふと、鎧戸を閉め忘れていた窓に目を向けると……
 
 いつのまにか降り出した白い雪が、まるで空からの祝福のように、ひらひらと舞い降りていた。
< 167 / 185 >

この作品をシェア

pagetop