乳房星(たらちねぼし)〜再出発版

【化石の森】

時は、1994年10月10日の夜8時頃であった。

またところ変わって、大阪ミナミ千日前の相合橋筋商店街《あいおいばしすじしょうてんがい》の通りにて…

ショルダーバッグを持っている私は、相合橋《あいおいばし》へ向かってあてもなく歩いていた。

通りのスピーカーから柏原芳恵《かしわばらよしえ》さんの歌で『化石の森』が流れていた。

私は、今の今ごろまであちらこちらを逃げ回っていたので心身ともにヒヘイしていた。

もうイヤや…

日本《このくに》からはよ出国したい…

一刻もニュウカン(入国管理局)へ行かなきゃ…

私の気持ちは、ものすごくあせっていた。

そんな時であった。

通りにあるキャバレーの入口に突っ立っていたチャラいカッコウのポン引きのニイチャンが私に声をかけてきた。

「ニイチャンひとり?」
「えっ?」
「よかったらどう?おやすくしておくよ。」
「(とまどいの表情で)えっ?おやすくしておくよって?」

ポン引きのニイチャンは、私に対して小指を立てながら『ええオナゴいてまっせ〜』と言うた。

ポン引きのニイチャンがいよることがまったく分からん…

私は、コンワクした表情でつぶやいた。

この時、ポン引きのニイチャンは私の右手を強引につかんだ。

ちょっと、なにしまんねん…

その後、私を露地裏《ろじうら》へ無理やり連れて行った。

コラ!!

なにすんねん、離せ!!

またところ変わって、商店街の露地裏《ろじうら》にて…

(ドサッ)

私は、ポン引きのニイチャンにわらの上に無理やり倒された。

「な、なにしまんねん!!」

ポン引きのニイチャンは、気色悪い声で私に言うた。

「うっふ〜ん、あんたかわいいねぇ〜」

なにいよんかさっぱり分からん…

それよりも、ポン引きのニイチャンは私をわらの上に寝かしてどないするつもりや!?

ポン引きのニイチャンは、ものすごく気色悪い声で私に言うた。

「うっふ〜ん、これから楽しいことしましょ…うちはかわいい男性《おとこ》が好きなのよ…ねぇいいでしょ〜」

ポン引きのニイチャンは、気色悪い声で言いながら私が着ていた濃いネイビーのボブソンのジーンズを脱がした。

「やめてくれ!!」

私は、必死になって叫んだ。

しかし、ポン引きのニイチャンは私が着ていたジーンズを脱がしたあとその下に着ていたブリーフを脱がした。

「やめろ!!あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

その後、私はポン引きのニイチャンに無理やり犯されてしまった。

それから80分後であった。

ポン引きのニイチャンは『お詫び料よ。』と言うて私に現金1000万円を渡した。

その後、何も言わずに私の前から立ち去った。

ポン引きのニイチャンに犯された私は、心身ともにひどく傷ついた。

時は、深夜11時40分頃であった。

またところ変わって、千日前2丁目にある小さなホテルにて…

私が館内に入った時、従業員さんがひとりもいなかった。

私は『すんまへん〜』と言うてホテルの従業員さんを呼んだ。

この時、女性従業員さんがフロントにやって来た。

女性従業員さんは、私を見るなりにこう言うた。

「あら、おひとり?」
「えっ?」
「ぼくちゃんはひとりで来たの?」

『ぼくちゃん…』ってどう言うことやねん…

私は、ムッとした表情でつぶやいた。

女性従業員さんは、過度にやさしい声で私に言うた。

「ねぇ、ぼくちゃんはいくつ?」

私は、ムッとした表情で言い換えした。

「あんたは客に対して口が悪いのぉ〜!!オレは近所のガキか!?」

女性従業員さんは、過度にやさしい声で私に言うた。

「うちは悪気があって言うたのじゃないのよ〜」

私は、ものすごく怒った声で言い換えした。

「はぐいたらしい従業員《おんな》やのぉ!!オドレはふざけとんか!?」

女性従業員さんは、泣きそうな声で『オーナー〜』と言いながら奥へ逃げて行った。

あの従業員《おんな》はふざけとんか…

ちょっとおらばれたぐらいで『ウェーン〜』と泣いて、人に助けを求めに行く…

ああいうやからは、ホンマに腹立つワ!!

そこへ、ホテルのオーナーがフロントにやって来た。

ここのオーナーは、田嶋《たじま》(ヤクザの事務所)に出入りしていた小林であった。

小林は、私に対してやや怒った声で言うた。

「なんや!!一体なにがあったんぞ!?」
「すんまへん…ちょっと…女性従業員《じゅうぎょういん》さんが客に対して失言《しつれいなことば》を言うたので注意しただけです…それなのに、ちょっとおらばれただけで『ウェーン〜』と泣いた…せやけん怒っとんや!!」

小林は、おだやかな声で私に言うた。

「それはえらいすまなんだのぉ〜」

女性従業員さんは、ザメザメした表情で言うた。

「うちは、カップルさん専門のホテルですよと説明しただけなのにィ〜」

小林は、怒った声で女性従業員さんに言うた。

「やかましい!!向こうへ行け!!」

小林は、ホテルから出ていこうとする私を呼び止めた。

「ぼうず、待て!!」
「はっ?」
「ぼうずは、どこから来たんぞ!?」
「えっ?」
「ぼうずの家はどこぞ!?」
「家は…ありまへん…」
「家はないんか!?」
「日本《このくに》には、家がありません。」
「ほな、ぼうずの本籍地はどこぞ!?」
「私の本籍地は、海外にあるのです!!」
「ほな、ぼうずは外国人か?」
「はい。」
「話はよぉ分かった…住むところがないのであれば、うちにおれ。」
「お、おおきに…おおきに…」

私は、小林の厚意《こうい》に甘える形でここ(ラブボ)に滞在することになった。

その間に大番頭《おおばんと》はんたちとゆかさんを探さなきゃ…
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