乳房星(たらちねぼし)〜再出発版

【あばよ】

時は、夜7時半頃であった。

またところ変わって、波止浜の母子保護施設のゆりこが暮らしている部屋にて…

ゆりこは白のブラウスのボタンを全部外してひらいた状態で鏡台《かがみ》の前に座っていた。

ひらいたブラウスの間からGカップのふくよか過ぎる乳房を包んでいるマゼンタのユニクロワイヤレスブラ(3Dホールド)とエアリズムのヒップハンガーショーツがあらわになっていた。

ゆりこは、ファンケルのメイク落とし液をコットンにつけたあと顔に付着しているメイクをふき取った。

お顔のメイクをおとしたあと、ゆりこははおっていたブラウスを脱いで下着姿になった。

この時、ヨリイさんがゆりこのいる部屋にやって来た。

ヨリイさんは、ものすごくつらい声でゆりこに言うた。

「ゆりこちゃん。」
「なあに?」
「ちょっと…お話したいことがあるけど…」
「イヤ!!あとにして!!」
「ゆりこちゃん…」
「イヤと言うたらイヤ!!」

ヨリイさんは、ものすごく怒った声でゆりこに言うた。

「ゆりこちゃん!!センセーはゆりこちゃんに大事なお話があるといよんよ!!」
「イヤと言うたらイヤ!!」
「それじゃあ、いつになったらお話をするのよ…ゆりこちゃん…きょうはなんの日か分かっているの!?」
「なんの日って?」
「センセーは、22年前のきょうに起こった事件のことを今でも怒っているのよ!!」

ヨリイさんは、ものすごく怒った表情で部屋にあがった。

その後、ヨリイさんはつらい表情でゆりこに言うた。

「ゆりこちゃん…」
「なあに?」
「センセーは、22年前のきょう発生した事件を今も覚えているのよ…そして…22年前の10月7日にふきあげさん(神社)で発生した事件についても覚えているのよ…センセーは、ゆりこちゃんが犯したふたつの事件のことを今も怒っているのよ!!」
「なんで?」
「なんでじゃないでしょ!!」

ヨリイさんは、ゆりこを怒鳴りつけたあとものすごく怒った表情で言うた。

「今のゆりこちゃんの性格では、お嫁に行く資格もムコはんもらう資格もないわよ!!」

ゆりこは、ひねた声でヨリイさんに言うた。

「しょうがないわよ…ゆりこ…恋愛運が悪いもん…」

ヨリイさんは、ゆりこに対して怒鳴り声をあげた。

「恋愛運が悪い元凶《げんいん》がどこにあると言うことが分かってないみたいね!!」

ゆりこに怒鳴り声をあげたヨリイさんは、たしなめる声で言うた。

「ゆりこちゃん!!ゆりこちゃんはこれまでに男の子に関するトラブルやもめごとを何度起こしたのか数えてみなさい!!」
「数えてみなさいって言われても〜…」
「ゆりこちゃんは、小学校4年生になった頃から男の子に関係するトラブルやもめごとを繰り返していたよね。」
「(ひねた声で)ゆりこ…知らない…おぼえてない…」
「ゆりこちゃん!!」

ヨリイさんは、下くちびるを上の歯でぎゅうとかんだあと全身をワナワナと震わせながらゆりこに言うた。

「ゆりこちゃん!!ゆりこちゃんは…ほんとうに健太くんと結婚したかったの!?」
「健太くん…」
「どうなの!?」

ヨリイさんの問いに対して、ゆりこはだまりこんだ。

ヨリイさんは、イラついた声でゆりこに言うた。

「なんでだまりこんでいるのよ!!…ゆりこちゃんが答えれないという事は、男の子だったら誰でもよかったのね!!」

ゆりこは、首を横にふって『ちがう…』と答えた。

ヨリイさんは、怒った声でゆりこに言うた。

「それじゃあ、なんでガッコーの行き帰りに大杉くんとイチャイチャしていたのよ!!」

ヨリイさんから怒鳴られたゆりこの両目から、どろ色の涙があふれ出た。

ヨリイさんは、ゆりこに対してクドクドクドクド言いまくった。

「ゆりこちゃんが大杉くんとガッコーの行き帰りにイチャイチャしよったねことについても、センセーは怒っているのよ!!…あの時、大杉くんは学年いちの優秀な成績で女の子たちにソンケーされていた…ゆりこちゃんは、成績優秀な大杉くんが大好きだから…」
「(泣きそうな声で)ちがう…ちがうもん…」
「それじゃあ、なんで大杉くんとコーカンニッキのやり取りをしていたのよ!?…ゆりこちゃんが大杉くんとイチャイチャしょったことが原因で、健太くんや同じ施設で暮らしていた男の子たちがものすごく怒り狂っていたのよ!!…ゆりこちゃんは他にも、キンリンのアパートで暮らしていた短大生の男の子ともイチャイチャしょった…他にもゆりこちゃんは複数の男の子とイチャイチャしょった…ゆりこちゃんひとりのせいで何人の男の子が施設から出たのか数えてみなさい!!」

ヨリイさんは、ゆりこに対してさらに強い怒りを込めて言うた。

「ゆりこちゃんは…中学生の時も男の子に関係するもめごとを起こしたよね…その時、にへん妊娠したよね…にへんとも赤ちゃんを中絶したよね…私立高校《コーコー》にいた時は、退学《ついほう》される一歩手前の危機にひんするトラブルを起こしたよね!!…ゆりこちゃん!!ビービービービー泣いてる場合じゃないでしょ!!…なさけないわねもう…あと4年で50になる女が涙ながしてみっともないわねぇもう!!」

この時、ゆりこの両目から流れ落ちる涙の量がさらに増えた。

ヨリイさんからガーガー言われたゆりこは、ひねた声でヨリイさんに言うた。

「ゆりこ…男…いらない…男なんか…いらない!!」

ヨリイさんは、ゆりこに対してさらに強い怒りを込めて言うた。

「それじゃあ、ゆりこちゃんはなんであの時健太くんと結婚しようとしたのよ!?」
「あせっていたから…」
「あせっていたからって…」
「周りの女の子たちにおめでたいことが続いたから…」
「テキトーに…健太くんを選んで結婚しようとしたのね…」
「ちがうもん…健太くんが『将来ぼくはゆりこちゃんと結婚する運命だった…』と言うたから…」
「ゆりこちゃんのいいわけなんか聞きたくないわよ!!22年前のあの事件が発生した元凶《げんいん》は、ゆりこちゃんのだるい気持ちにあるのよ!!…ゆりこちゃんは、あの時…なんでよーくんに暴力をふるったの!?」
「よーくんが素直に祝福しなかった…だからよーくんの背中にリンゴをぶつけた!!」

ヨリイさんは、全身をワナワナと震わせながらゆりこに言うた。

「ゆりこちゃんがよーくんに暴力をふるったことが原因で…よーくんは今でも怒り狂っているわよ…よーくんの怒りは、他の男の子たちの何百倍も大きいわよ!!…ゆりこちゃんは今もよーくんにおわびしていないわね!!…いつになったらよーくんにおわびするのよ!?」
「だって…だって…」
「だってじゃないでしょ!!」
「よーくんがどこにいるのか分からないのに、どうやっておわびするのよ!?」
「どうやってって…」
「ゆりこ!!できん!!」
「それじゃあ、ゆりこちゃんはこのままにしておくのね!!」

ゆりこは、泣き叫ぶ声でヨリイさんに言うた。

「ゆりこは…よーくんに『おめでとう』と言ってほしかったのよ!!だけど、よーくんが『おめでとう』と言うてくれなかったから、リンゴぶつけた!!」

ヨリイさんは、ゆりこに対してよりし烈な怒りを込めて言うた。

「ゆりこちゃんはどこのどこまでひねているのかしら!!…もういいわよ…ゆりこちゃんのせいでよーくんがどんな気持ちに置かれているのかが分からないのね…ゆりこちゃんのひねた性格は、実のおかーさまにそっくりね!!だから恋愛運が悪いのよ!!…よーくんは…お嫁さんまだだったわね…ゆりこちゃんのせいでよーくんがお嫁さんをもらえなくなったのよ!!どうしてくれるのよ!?」

ヨリイさんからどぎつい言葉を言われたゆりこは、下着姿で部屋から出たあとお風呂場ヘ駆け込んだ。

お風呂場にて…

(ドボーン!!ブクブクブクブクブクブクブクブク…)

下着姿のゆりこは、大きめの湯船に飛び込んだあと全身をお湯の中にもぐらせてブクブクとあわだてた。

それから数十秒後に湯船からあがったゆりこは、ベトベトに濡れた状態で脱衣場に上がった。

その後、マットの上にうつぶせになった状態でワーワー叫びながらグーで床を殴りつけた。

そして…

「グスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスン…グスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスン…グスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスングスン…」

ゆりこは、うつぶせの状態でグスングスンと泣きまくった。
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