乳房星(たらちねぼし)〜再出発版

【時にはアンニュイ・その2】

またところ変わって、(ホテル)椿館《つばきかん》の館内にある展望レストランにて…

指定された席に、ミンジュンさんとミンジュンさんのご両親とミンジュンさんの兄夫婦の家族4人が座っていた。

テーブルの上には、フルコースディナーの料理を盛り付けるお皿と洋食器類が並んでいた。

一行は、12時から午後1時までの間にミンジュンさんのお母さまのお兄さま夫婦とお会いする予定である。

ランチは、午後1時頃から始まる予定である。

午後12時10分頃に、ミンジュンさんのお母さまのお兄さま夫婦(ミンジュンの伯父夫婦)が到着した。

この時、ミンジュンさんの伯父さまがお兄さまの次男くん(ミンジュンさんのオイゴ)に手渡すバースデープレゼントを忘れてしまった(うっかりではなく、わざとである)…と言うた。

そう言うことで、伯父さまは、知人の部下の人にがオイゴくんのプレゼントを持って来てほしいと電話で頼んだ。

しかし、そこで思わぬアクシデントが発生した。

またところ変わって、横河原《よこがわら》(東温市)にある愛大病院の館内にて…

この時、ミンジュンさんの伯父さまの頼みを引き受ける予定の男性くん(39歳・外科の主任)が交代の時間になったので帰宅しようとしていた。

そこへ、上司の男性(ミンジュンさんの伯父さまの知り合い)が男性くんを呼び止めた。

男性くんを呼び止めた上司は、めんどくさい声で言うた。

「ああ、ちょっと来てや~」
「(あつかましい声で)なんやねん一体…」
「きみ、どこへ行くねん?」
「これから帰宅するのですよ。」
「それだったら、頼みがあるけどぉ〜」
「頼みってなんやねん!?」
「あの〜、その〜、なんて言うかな〜…えーと…理事長がトイレにプレゼントを置き忘れて困っているんだよ…その…すまんけど、トイレに行ってくれるだろうか?」
「はい…それで、何階のトイレに行けばいいのでしょうか?」
「えっ?」

男性くんを呼び止めた上司は、顔が真っ青になった。

えっ?

何階のトイレって…

しまった〜

忘れた〜

男性くんを呼び止めた上司は、のたうち回った。

男性くんは、白けた表情で病院から出て行った。

さて、その頃であった。

椿館《つばきかん》の展望レストランでも、トラブルが発生した。

ミンジュンさんの伯父さんは、知人の人からかかって来た電話の応対をしていた。

ミンジュンの伯父さんは、知人の人からトイレに置き忘れたプレゼント箱のことについて聞かれた。

ミンジュンさんの伯父さまは『何階のトイレか…思い出せない…』と言うてしくしく泣き出した。

おまけに、ミンジュンさんの伯父さまは腹をくだしたのでさらに大弱りした。

「あなた!!」
「お腹痛い〜」

なんやねん一体もう…

ミンジュン…

おんまくしんどい…

ミンジュンさんは、ものすごくつらい表情でつぶやいた。
< 94 / 200 >

この作品をシェア

pagetop