一期一会。−2−

8【守りたい・後編】

和達と夏祭りに行くことが決まって、喜んでいたのも束の間。

例のあの組織が、私に関わってきた。

一人で、人気のない階段の踊り場にいた私のところへ、通りかかった集団。

…ん、あれは。

「こんにちは」

目の前に、入学式で司会をしていたマイクの主が立ち塞がった。

鼻につく、胡散臭い笑みを貼り付けていた。

私は、スゥッと表情を消す。

最近、和と関わるようになって、私に対しても“生徒会”が目を光らせていると、噂には聞いていたけど。

まさか、本当に干渉されるとはね。

和は、闇堕ちした組の若頭だし、黄鳥高校内でも、要注意人物とされている。

“生徒会”からしたら、和に近付く私の存在も目障りに違いない。

…でも、だからってね。

私のやることに口出しする権利なんて、アンタらには無いんだよ。

私が誰と付き合うか、仲良くするかは、私自身が決めることなんだから。

胡散臭いその男は、ズラッと生徒会役員たちを引き連れて口を開く。



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