一期一会。−2−
ー「うん!よろしく、和!」


可愛く微笑んで、俺を見てくる彩羽。

どこにも恐怖心や怯えはなく、
俺を一般人同等に見ている気がした。


ー「和って、友達いないの?」


絶対普通の奴なら言えない煽り文句を
言ってくるから呆れた。

もし俺が、女に手ぇ出すような、悪い男
だったらどうすんだよ。

睨んでも、怒っても、笑うだけ。

本当に、調子が狂う。

しかも、頼人とも中学の時から友達だった
らしい。


ー「…だって、私と頼人友達だもん」


白けた顔で言う彩羽に、最初は頼人に
取り込んで、俺に近づこうという魂胆かと
疑った。

今まで、そうやって俺や頼人に近づいて、
組というブランドに寄ってくる害虫は
掃いて捨てるほどいた。

でも、彩羽はその疑いを見事に覆した。

あっけらかんと放たれる。


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