一期一会。−2−
寂しさ、悲しみ、怒り、傷つき、辛さ、
キツさ、苦しみ、不満、絶望。

彩羽も実は、俺と同じように、いや、
俺以上に、この世界を嫌っているような
気がした。

答えは返ってこないだろう、と分かっていながら、聞いてしまった。

彩羽は、俺の言葉に固まったあと、
一瞬だけ目を伏せた。

その瞳に、暗い翳りが見えて。

その瞬間、彩羽の中の闇が垣間見えたことにぞっとした。

でも、彩羽は、全てを飲み込んだかのように、笑顔を取り繕って俺の腕を引いた。

答えは無かったけど、その動作の中に
肯定の意味が受け取れた。

…彩羽が、どうして俺なんかと仲良くなりたいかは知らないけれど、彼女にも彼女なりの辛さを抱えて生きていることを知った。



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