一期一会。−2−
シンプルなメッセージだけど、そんな
背景を想像した。

あーぁ、直接会いたかったな。

『熱高いから、休んどく』と返信して、
ベッドに倒れ込んだ。

キツイけど、寝ればきっと直ぐに治る
はず…。

家を出て、一人暮らしのため、気を遣う親もいないし、思う存分寝れる…。

襲ってくる睡魔に抗うことなく、そっと
目を閉じた。


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次に目を覚ましたら、すっかり夕方に
なっていた。

ムクリと起き上がって、窓の外を見たら
夕日も沈みかけ。

…めっちゃ寝たな。

何時間寝たんだ、ってくらいに熟睡していた。

久々に、こんなに寝たかもしれない。

欠伸をすれば、手元のスマホが通知音を
鳴らした。

ん…?

まだ熱があるせいか、ボーッとした頭で
それを取る。

『…え?見舞いに来る?』

画面には、彩羽ちゃんが何故か大きい袋を
持たされ、送り出されている写真。

メッセージの送り主は亮。

え…今、ドルチェにいるんだよね?


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