一期一会。−2−

3【可愛い我儘・前編】:時雨side

突然メッセージが届いて、驚いた。

“買い物に付き合って”と一通のメール。

女の子のアドレスは、愛と彩羽ちゃん以外全消ししたから、見間違いではない。

…けど。

『…なんで、彩羽ちゃんから?』

いや、普通に誘われたのは嬉しいけど。

…でも、彩羽ちゃんが好きなのって、葵でしょ?

読み返してみるものの、さっぱり意図が分からず。

この前、お見舞いに行った下りから、てっきり恋心を自覚したんじゃないかと思ってたのに。

俺より、葵と行けばいいのに…と本当は喜んでいるのに素直になれない。

…はぁ、どうしようかな。

とりあえず、最終確認。

《二人きりでいいの?》

《いいよ》

いいの!?

返事は、一言だけだった。

…まぁ、彩羽ちゃんがお望みとあらば行くか…。

腑に落ちなかったけれど、OKと返して日程を定めた。



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