貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!
重度の女好き。
そう伝え聞く割りに,ベルトゥス·ボーンは1人だった。
「手下ぁ? 部下と呼んでくれるか,あいつら直ぐ泣くからよ……お? 嬢ちゃん,名前は? 俺から見ても,中々の顔してる。どうだ,俺とくるか?」
「い,いえ……遠慮させて,貰います……」
突然のナンパに,私は思わず蘭華を掴んだ。
蘭華は私の手をそっと握って,後ろに隠す。
ベルトゥスは確か,蘭華の1つ上。
つまり,24。
余裕も色気も兼ね備え,私をまじまじと見た。
「お,お~? まさか嬢ちゃん,凛々彩とか言う名前だったりするのか?」
「え……」
私は思わず半身を前に出して,それを押し戻すような動きで蘭華は警戒する。
「答えろ,ベルトゥス。何のつもりだ」