貴方の涙を拾うため,人生巻き戻って来ました!



「そうさ,あいつは死ぬことを恐れない。冷静さを失うことなく銃弾にも向かっていき,必要あらば仲間も見捨てる」



ひどい言われよう。

だけど,両親の事があるからか,どこか捨て身な蘭華を否定することは出来ない。

全てベルトゥスの口にした通りなんだと思う。



「それでもお前は譲れねぇってんだから,大分大事なんだろうよ」



やっと,ベルトゥスの言いたいことが分かった。

私はやはり,言葉を返せない。



「はっ。どっちもべた惚れですってか。安心しろ,出来るだけ早く帰してやっからな」

「ベルトゥスさんこそ,蘭華が……大好きなのね……」



私を拐ったのは,私が可哀想だったからじゃない。

私を,蘭華に必要な人だと認識したからなんだ。



「それはどうかな。俺もなんでもかんでも話してやるわけじゃない。ところで,凛々彩」

ー俺のことはベルトゥスでいい。



私は1つ頷いて



「ありがとう,ベルトゥス」



と返した。

生きていることに,越したことはない。
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