干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「レストランの装飾?!」

 会社に戻った美琴達の報告を聞き、東と滝山が悲鳴のような大声を出す。

「この前のエントランス装飾から、次の仕事に繋がったって事か。干物、良かったな」

 部長がぽんと、美琴の頭に手を置いた。

 美琴は頷き満面の笑みを返す。


「でも、店舗の装飾ってなると、前回とはレベルが違うよなぁ」

「そう。しかも今回は時間がない……」

 副社長はゆっくりと、一人一人を見た。


「これから友野さんは僕と一緒に先方の店舗の確認に。滝山くんは健太と地下の書庫に行って、デザイン案の参考になるものをかき集めてきてください」

「はい!」

 みんなは一斉に返事をし、大きく頷いた。


 美琴はふとその輪の後ろで、部長が(たたず)んでいる様子を見つける。

「部長……もしかして仕事もらえなくて、寂しいんじゃないですか?」

 美琴は隣に立ち、部長の腕を(ひじ)でちょんちょんと小突(こづ)いた。

「ば、ばか! 俺は監視係だっつーの……」

 部長は照れたように、慌ててそっぽを向いた。
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