干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「宮本さん。場所をお借りします」

「さぁーいっちょ頑張りますか!」

 その声かけと共に、美琴達は作業に取り掛かった。


 壁にかけるコウモリランは五つで、メインの大きなものを一つと後は小さめのものだ。

 野球のホームベースの様な形をした着生板(ちゃくせいいた)水苔(みずごけ)を丸く置き、その上にコウモリランをテグスでくくりつけていく。


 あーでもない、こーでもないと作業を進め、あっという間に定時も過ぎてしまった。


「とりあえず、今日の作業はここまでにしましょうか」

 副社長の言葉に東と滝山が顔を上げ、肩をグルグルとまわしている。

「あー。疲れたぁ。タッキー飯食って帰ろ」

「あ、東さんのおごりですか?!」

「んなわけないでしょ! お先ー」


 手を振って出て行く二人を笑顔で見送って、美琴はまた目の前の作業に取り掛かる。

 ふと副社長の視線に気がつき、はっと顔を上げた。
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