干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「SNS?」

 副社長が首を傾げる。

「はい。写真とかつぶやきとかの。更新の頻度は少ないんですけど、その人がアップする写真を見ると元気になれて」

「へえ」

「だから、いつかその人に『あなたのおかげで頑張れたよ』って伝えるのが夢なんです。そのためにも、真っすぐ仕事に取り組みたいなって」

 美琴はえへへと、笑うと照れて頭をかいた。


「素敵な話ですね」

「まぁ、どこの誰だかもわかんないですけどね!」

 おどける美琴の顔を、副社長は優しく見つめている。

「じゃあ僕も頑張らないと。プロジェクトの責任者として、顔向けできなくなりますからね」

 副社長は小さくガッツポーズした。

「はい! お願いします」

 あははと笑い合いながら、美琴は副社長の笑顔をそっと見つめる。


 ――この人の側は、なんでこんなにも居心地が良いんだろう……。


 そんな考えが浮かんだ自分に気がつき、美琴は真っ赤になった顔を隠すように下を向いて作業を続けた。
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