干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
 普段は渓谷の写真や森の写真がメインのSNSで、どこの誰なのかその存在自体も曖昧なSNSだったが、その日だけは違った。

 “展示会に参加した”と、妙に存在がリアルに感じられたのだ。

 それからだった。

 美琴が、グリーンレンタルの業界に興味を持ったのは。


 その展示会に、今年は自分も参加できる。

 美琴はその事が少し誇らしく、やる気が溢れて来る気がしていた。


 それからしばらく、滝山は営業用の資料作成に、美琴は展示用の鉢の作成に忙殺されていた。


「美琴ちゃん。遅くまで頑張るなぁ。最後のカギ閉めだけ頼んだよ」

 温室で作業を続ける美琴の所へ、宮本がひょいっと顔を出す。

「宮さん。いつもすみません。お疲れ様です」

 美琴は笑顔で宮本を見送った。


 しばらく一人で黙々と作業を続けていると、ピロンとスマートフォンが光り、メッセージが表示される。

「え……? 水上さん?」

 美琴は慌ててメッセージを開いた。
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