干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「やっぱりって?」

 副社長は、美琴の向かいに座り首を傾げた。

「あの、前に話した草刈りボランティアの知り合いも、今度の展示会に来るみたいで……」

「へぇ。同業者なんですか?」

「へ……?」

 その言葉を聞き、美琴ははっとして口元に手を当てる。


「そういえば……何の仕事してるかとか、聞いてないや……」

 愕然とする美琴を見て、副社長はまたあははと楽しそうに笑った。

 その声が二人だけの部屋に心地よく響く。


「まあ、それでも仲良くなれるのが、友野さんらしいですね」

「もーそれ! 褒めてます?!」

「褒めてます!」

(けな)してませんか?!」

「貶してません!」

 美琴は真っ赤になった頬を膨らませ、わざと副社長を睨みつける。


 ――この時間が、いつもまでも続けばいいのに……。


 美琴は心の中で、そっと願った。
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