干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
 ふと横を見ると、滝山が必死に周りの様子をスマートフォンで撮影している。

「タッキー何やってんの?」

「ちょ、ちょっと写真を……」

「写真は見ればわかるけど。会社への報告用?」

 美琴は滝山の手元を覗き込む。


「え、SNSにアップする用で……」

「SNS?!」

 美琴は思わず裏返った声を出し、滝山をまじまじと見つめた。


「タッキーってSNSやってるんだ。そういえば……」

 東が副社長を見ながら何かを言いかけた時、ブースにお客様が来店し話が途切れる。


 ――いやいや。滝山くんがあのSNSの人のはずはないよね……?


 美琴はそんな事を考えながらそっと辺りのブースや歩いている人々を見回した。

 まだ雅也は来ていないのか、姿はどこにも見当たらない。


 ――水上さんがSNSの人って決まったわけじゃないし……。


 もしかしたら、ここにいるのかも知れないSNSの人の姿を思い浮かべながら、美琴は手早く準備を続けた。
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