干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「そういえば……友野さんって、いつものスタイルじゃない時は雰囲気変わりますね」

「そうですか?」

 美琴は、ポンポンのついていない前髪を手で撫でつける。


「前も思ったんですけど……似た人を知ってるような……?」

 懸命に何かを思い出そうとしてる副社長の顔を見つめながら、美琴も一緒に首を傾げる。


「芸能人とかですか?」

「えっ?!」

 ぶっと吹き出して笑った副社長につられて、美琴もつい大笑いした。


 すると、東がすっと歩いてきて副社長の横に立つ。


 ――また怒られちゃうかな……。


 そう思いながら見上げた東の表情があまりに厳しくて、美琴はびくっとした。

「俊介。いよいよ、お出ましだぞ……」

 小さく(ささや)くその言葉に副社長の瞳も一気に鋭くなる。

 何事かと美琴も慌てて目線の先を探った。
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