干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「あぁ。……この企画は、雅也が関わるのか?」
副社長は、伺うような様子で雅也を見る。
「そのつもりだよ。この仕事を成功させれば、次の道がもっと開ける」
「そうか……」
副社長は美琴を促し、エレベーターに向かって歩き出した。
「俊介。見積りで弾かれるなよ」
雅也の言葉に、副社長は前を向いたまま片手を上げる。
「あ、あの。さようなら」
美琴もぺこりと頭を下げ、エレベーターへ向かおうとした時、ふいに雅也が美琴の手を掴んだ。
「え?」
雅也はそのまま美琴を引き寄せる。
「あれから、俺の事、少しは意識してくれてる?」
耳元で雅也の甘い吐息がもれた。
「ちょ、ちょっと……」
美琴は耳を手で押さえ、真っ赤な顔で雅也を睨みつける。
「良かった。少しは気にしてくれてるんだね」
雅也はくすくす笑うと美琴に手を振った。
「またね。美琴ちゃん」
美琴は全身が熱くなるのを感じながら、お辞儀をしたたまま駆け出した。
――あの人といると、心が乱される……。
じんじんとする耳を手で押さえながら、美琴は心の中でつぶやいた。
副社長は、伺うような様子で雅也を見る。
「そのつもりだよ。この仕事を成功させれば、次の道がもっと開ける」
「そうか……」
副社長は美琴を促し、エレベーターに向かって歩き出した。
「俊介。見積りで弾かれるなよ」
雅也の言葉に、副社長は前を向いたまま片手を上げる。
「あ、あの。さようなら」
美琴もぺこりと頭を下げ、エレベーターへ向かおうとした時、ふいに雅也が美琴の手を掴んだ。
「え?」
雅也はそのまま美琴を引き寄せる。
「あれから、俺の事、少しは意識してくれてる?」
耳元で雅也の甘い吐息がもれた。
「ちょ、ちょっと……」
美琴は耳を手で押さえ、真っ赤な顔で雅也を睨みつける。
「良かった。少しは気にしてくれてるんだね」
雅也はくすくす笑うと美琴に手を振った。
「またね。美琴ちゃん」
美琴は全身が熱くなるのを感じながら、お辞儀をしたたまま駆け出した。
――あの人といると、心が乱される……。
じんじんとする耳を手で押さえながら、美琴は心の中でつぶやいた。