干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「あ、東さん……。副社長は……」

 美琴の言葉を遮るように、東の大きなため息が部屋に響いた。

「あれほど、今の感情そのままぶつけるなって、言っといたのに……」

 東は小さく独り言を言いながら、美琴の前に立つ。


「美琴ちゃんさぁ。……身に覚えないの?」

 そして美琴の様子を伺うように、下から顔を覗き込んだ。

「何の、事ですか……?」

 美琴はそう言いつつも、頭の中では朔人とのことがグルグルと巡っていた。

 ――きっと、朔人さんのことだ……。

 美琴は今の時点では、朔人の脅しを話していいものか迷っていた。

 どう返答したらいいだろうかと、東の次の言葉に身構える。


「じゃあ聞くけど。昨日どうやって帰った?」

「え……」

 美琴は予想していなかった東の言葉に一瞬頭が真っ白になる。

「雅也の車に乗ってたでしょ?」

 美琴ははっとして顔を上げた。


「なんで、知ってるんですか……」

「見てたんだよ。俊介も一緒に! こんな事言いたくなんだけどさ、ちょっと軽率だったんじゃない?」

 美琴はその言葉にドキッとして、何も言えずに両手を胸の前で握ったままうつむいた。
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