干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「それをこのメンバーでやるんですか?!」

「そうです」

「え?! 私達、今までメンテナンスしかしてない、ど素人ですよ!」

「知ってます」

「はぁ?! いやいや、おかしいでしょ……お家騒動に、私達を巻き込まないでくださいよ!」

 美琴は目の前のテーブルを、バンッと両手で叩いた。


「おい! 干物! それくらいにしとけ」

 美琴の様子を見かねた部長に(さえぎ)られ、しぶしぶ一旦押し黙る。


「お二人が、緑化に知識も経験もない事も、このプロジェクト自体が無理難題を吹っかけられてる事も、承知してます」

「え……」

「その上で何をするか。僕はタダで転ぶつもりはありません。たとえ味方が一人もいなくなったとしても、やり遂げるつもりです」


 美琴は副社長の瞳の奥の、鋭い光がキラリと輝くのが見えた気がした。
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