干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~

緑化事業部の始動 内田瑠偉

「では、新生“緑化事業部”へようこそー」

 拍手で迎えられた新しいメンバーが、緊張した顔つきでそろそろと副社長の前に出た。

 部長により選ばれた、新たなメンバーは二人。

 二人ともメンテナンス部では、美琴達の後輩にあたる若手だ。


「じゃあみんな顔見知りだとは思うが、一応一人ずつ挨拶してもらうか」

 部長が促すと、サッと右手の男性が前へ出る。

 男性は軽い足取りで、くるっとみんなの方を向いた。

 細身のスーツを身にまとい、丁寧にセットされた短髪は前髪が軽く上を向いている。

 身長は滝山と同じくらいか、それより少し低いくらい。

 愛嬌のある笑顔を振りまく、今どきの若者という印象だ。

「えっと。内田瑠偉(うちだるい)っす。今までメンテ部でも主に営業してましたー。瑠偉って呼んでください。よろしくっす」

 あまりの印象通りの軽い挨拶に、一同は一瞬言葉を失う。


「おいおい……。ずいぶんとチャラいのが来たな。大丈夫か?!」

「あ、東さんっ! 心の声漏れてますから」

 コソコソと話す東と滝山に向かって、瑠偉は余裕の表情でブイサインを送った。

 しかめっ面をした部長が、ゴホンと一つ咳ばらいをする。

 それに促されるように、続いて隣の女性が前に出た。
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