干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
「そのままで良いですよ! 私たちの前では」

 美琴はにこっとほほ笑んだ。

「だって、私たちは仲間ですもん」

 そう言う美琴の顔を見つめる副社長の目が、少しだけ開く。


「ほお……」

 東が小さくそう言った時、写真に目を落としていた滝山が突然手を上げた。

「お、お取込み中すみませんが……」

「え?」

「い、今ちょっと思いついたんですど……この花瓶を鉢カバーに見立てて、この中に寄せ植えしたグリーンを入れたらどうかな、って……。これだけの大きさなら、シンボルツリーになりそうな大きな木も映えるかも……な、んて……」


 珍しく一気にまくしたてる滝山の姿に、他の三人はあっけに取られた顔をする。

 注目を集めた滝山は、慌てて下を向いた。


 ……が、次の瞬間。

「そんなの思いつかなかったぁー」

「タッキー良いじゃない!」

「それなら行けるかもしれない……」


 副社長室の盛り上がりは、廊下の外にまで響いていた。
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