干物のミカタ ~副社長! 今日から私はあなたの味方です!~
お盆にカップを乗せながら、何の気なしに絵を見て、美琴はぎょっと目を見開いた。
「え……?! これって……?!」
カップを持ち上げて、もう一度じっくりと見る。
美琴には、はっきりと見覚えのある景色。
描かれていたのは、まさに美琴が滑落しかけたあの渓谷、コバルトブルーの滝つぼの風景画だった。
「な、なんで!? 偶然?!」
美琴は、ドキドキする心臓を抑えつつ、そっと部長を横目で盗み見る。
部長は、美琴の様子を気にも止めず、真剣に資料に目を通していた。
――きっと、偶然だよね……?!
そう心で思いつつも、美琴は動揺を抑えきれずに、バタバタと慌てて給湯室へと駆け込んだ。
「あれ? 美琴ちゃん?」
入れ違いで副社長室にやって来た東が、美琴の後ろ姿に向かって声を出した。
美琴は、その声には気がつかないまま走り去る。
「どうした?」
その後ろ姿を、副社長も不思議そうに見送っていた。
「え……?! これって……?!」
カップを持ち上げて、もう一度じっくりと見る。
美琴には、はっきりと見覚えのある景色。
描かれていたのは、まさに美琴が滑落しかけたあの渓谷、コバルトブルーの滝つぼの風景画だった。
「な、なんで!? 偶然?!」
美琴は、ドキドキする心臓を抑えつつ、そっと部長を横目で盗み見る。
部長は、美琴の様子を気にも止めず、真剣に資料に目を通していた。
――きっと、偶然だよね……?!
そう心で思いつつも、美琴は動揺を抑えきれずに、バタバタと慌てて給湯室へと駆け込んだ。
「あれ? 美琴ちゃん?」
入れ違いで副社長室にやって来た東が、美琴の後ろ姿に向かって声を出した。
美琴は、その声には気がつかないまま走り去る。
「どうした?」
その後ろ姿を、副社長も不思議そうに見送っていた。