腕の中で、愛でる
「━━━━華澄!!」
保健室のドアを開けるなり、華澄を呼ぶ御影。

「あ…みぃくん……」
「大丈夫なの!!?」

「うん。ボーッとしてて、突き指しちゃった…(笑)」
「誰!?誰にやられた!!?」

「え?だから、ボーッとしてて……」
「誰がこんなこと……
大丈夫!俺がすぐに殺してやる!」

「は?」
(な、なんか…大事になってる……)

ボールが顔面に飛んできて、思わず顔庇ったので人差し指を突き指しただけだ。

まるで腫れ物に触るように、華澄の手を掴み優しく撫でる御影。
その表情は、怒りと悲しみに溢れていた。

「みぃくん」
「ん?誰?」

「誰にってことはないの。
本当だよ?
ボーッとしてたら、ボールが飛んできて顔を守ろうとして突き指したの」
「ボーッとって、どうして?
なんか心配事?」

“静馬に見惚れていた”なんて言えない。

「御影に見惚れてたもんね、華澄」
そこに、晴音が言ってきた。

「え?俺?」
「え?あ、う、うん……」

「嘘……どうしよう……嬉しい……////
俺のことを考えて、怪我してしまう位ボーッとするなんて……!
あ、でも、俺のせいってことだよね…
ごめんね……カスミン、ごめん……!」

「う、ううん…」
「カスミン、教室に戻ろ?
もう、離れないからね!」

「うん…」
華澄を支えるようにして、保健室を出た御影。

「カスミン、着替えできるかな?」
「うん、大丈夫だよ!」

「さすがに、女子の更衣室には入れないもんね…
ごめんね……」
「ううん」

更衣室で着替えて出ると、御影も着替えて待っていた。
「みぃくん」
「よし、教室帰ろ!」

それから御影が、ずっと華澄にくっついて介助した。
右手を怪我したので、ノートを華澄の分までとり、昼食は全て御影が食べさせたのだ。


マンションに帰る。
「カスミン、なんか飲む?」
「うん」

華澄の門限は、18時。
いつも、18時頃に澄義が仕事から帰るから。
なので、御影は18時まで設楽家にいるのだ。

ジュースを渡す。
「ありがとう!」
「手……痛い?」
包帯の上から、ゆっくりさすり言った御影。

「うん!大丈夫!
心配かけてごめんね!」
「ううん!
澄義には、連絡した?」

「うん。さっき、メッセージ送ったよ」
「怒ってたんじゃない?」

「あ、う、うん…」
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