夜這いのくまさん

6

時は遡り、キースとアーレットが鉢合わせしてキースが帰っていった時だった。
アーレットは痛いくらいに手首を掴んでずんずんと小屋のほうに進む。
これ以上ない怒り具合に、シェリーは大人しくついていくしかなかった。

「男なら誰でもいいんなら初夜もきっとしっぽ振って喜んでいるんでしょうね、あなたは」

小屋の裏側にちょっとした階段があり、そこに押し付けられた。頭を打ち思わず、痛くて悶絶してしまう。その隙に私に馬乗りになり、髪の毛を掴む。あまりの痛さに涙が滲んだ。
目線をを合わせるとぎょろりといまにも目が落っこちそうなくらい見開いたアーレットが、涙を舌で拭った。ねっとりと肌を這う感触に思わず「ひ」と悲鳴をあげた。

「あの男とはもうやっているんだろう？お前は儀式反対派だからなあ」

そういうなり、唇を噛みちぎるように歯で噛んできた。
唇を割って舌で前歯や歯茎を撫でられ、鳥肌がたつ。
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