歯が痛すぎて無言になったら、冷たかった婚約者が溺愛モードになった件
第五章 わたくしは信じますわ!!

 とうとうマリアン様から招待状を受け取った夜会の日になってしまった。

 クリストファー殿下がドレスを送るだの装飾品を送るだの騒いでいたのを、なんとかスルーしてわたくしは今日もアイスブルーのドレスとアクアマリンの宝石を身にまとっている。

 これだけは絶対に譲れませんわ! わたくしはライル様の婚約者ですもの!

「……少しは赤とか金とか俺の色も入れたらどうだ?」
「なぜですか? わたくしはライル様の婚約者ですもの。本日はあくまで世話役としてのパートナーですわ」
「はあ、まあ、いいさ。帰る頃には気持ちも変わっているだろうから」
「どういうことですの?」

 わたくしの問いに答えることなく、クリストファー殿下は夜会会場へと足を踏み入れた。

 学院に入る前にデビュタントを果たし、何度か夜会に参加したことはある。いつも固い表情のライル様にエスコートされて、それでもキラキラと着飾ったライル様が素敵で夢のような時間だった。

 今日は王家の守護者と呼ばれる五家貴族、それに伯爵以上の高位貴族も軒並み出席しているようだ。当然わたくしのお父様とお母様の姿もある。

 タックス侯爵夫妻にも挨拶をしたかったけれど、クリストファー殿下にエスコートされていたので叶わなかった。
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