BでLなゲームに転生したモブ令嬢のはずなのに

3.

 ジーニアは兄であるジェレミーに呼ばれた。それはもちろん、あの事件の詳細を聞きたいとジェレミーが言っていたからで。呼び出された先は、騎士団が所有する取調室。こんな場所に呼び出されてしまったら、容疑者にでもなったような気分になってしまう。

「悪いな、ジーン。怪我の具合はどうだ?」

「あ、はい。おかげさまで、なんとか」
 少し引き攣るような痛みが出るときもあるが、今では普通に動けるようになるまで回復していた。
「ま、あまり緊張せずに、いつものように話してくれ」

 目の前のジェレミーはにこやかに笑っているけれど、このような部屋に押し込められたら「お前がやったことはわかってんだ、吐けよ、吐いちまえよ」と警察、この場合は騎士団から言われ、灯りを顔に向けられて追い詰められる犯人の映像しか浮かんでこない。

 ことっとジーニアの目の前に紅茶の入っているカップが置かれた。驚いて顔をあげれば、グレアムである。目が合えば、彼はジーニアを安心させるかのように、ニッコリと微笑んでくれる。

 ――あわわわわわ。尊い……。

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