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第十三章
大和の気持ち
ーー先生との関係が、紬にバレてしまった翌日。
前日から私達の事を心配していた大和は、スマホのメッセージを送って昼休みに私を屋上へと呼び出した。
冷たい風が頬を撫でる。
「昨日…、ゴメンな。紬に秘密をバラすつもりはなかったんだけど…。あの後、大丈夫だった?」
「…ううん、いいの。いずれは知る日が来ると思っていたから。」
今日は紬にこれ以上心配かけぬように『進路相談があるから職員室に行ってくる』と伝えて教室を出た。
また、嘘をついた。
どんな小さな嘘でも気が引ける。
大和には昨日の話し合い結果を報告するべきだと思っていたので、呼び出してくれてちょうど良かった。
「紬はやっぱり先生との恋を歓迎してくれなかったよ。」
「そりゃそーだ。紬はお前の危険な賭けを許す訳がないだろ。」
「偽恋人じゃなくて、本気で蓮とやり直して欲しいと思ってる。」
「蓮はお前に一筋だからな。まぁ…、お前も少しは蓮の方を見てやれよ。」
「少しはって言われても…。蓮とは半年以上も前に終わったから。」
「虚しいな…、あいつは。そうやってゴチャゴチャと面倒くさかったりするから、俺は女と付き合いたくねぇんだよ。」
本当は紬の恋を応援したいと思っているけど、実は捻くれた私が地味に恋路を邪魔しているのかもしれない。