『四つ葉のクローバー』花言葉シリーズ
配達の車の助手席にあなたを乗せる。あなたは自分に起こった一部始終をペラペラと喋り始めた。わたしはそれを黙って聞いた。

住まいとして借りたささやかな一戸建へあなたを連れていく。築二十年以上の二間だけの平家だが、小さな庭もある。その庭を見たあなたが小さな声を上げた。

「あれは…クローバーだね」

小さな庭を可愛らしい小さな葉の群れが緑で覆っている。クローバーだ。何もないけれど日当たりだけは良い。
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