『四つ葉のクローバー』花言葉シリーズ
自宅のバスルームには全身を映せる大きな鏡がある。シャワーの後やお風呂上がりに、わたしは裸でその鏡の前に立つ。ファッションモデルのようにポーズを取って自分の体を点検する。

まだ大丈夫。アラサーなんてわたしには関係ない。まだ十分に魅力的なはずだ。鏡を見ながら、心の片隅で震えている、不安でたまらない自分にそう言い聞かせてきた。

「明かりを暗くしてもいい?」
「だめだ。明るいところですべてを見せなさい。バスタオルはゆっくり取るんだぞ」
「ううっ」

恥ずかしさを抑え、あなたの前に立ってバスタオルの結び目を解いていく。ふわっとタオルが床に落ちた。
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