記憶屋【先輩・後輩篇】
「すいません…それに先輩の家に行くって約束してたのに行けなくてごめんなさい」

「そんなのどうでもいいの。また、いつでも来れるから」

少しの間、僕と先輩は抱きしめあった。

先輩の温もりとやわらかい体の感触を肌で感じたのはこれが初めてだった。

それに、先輩の僕に対する想いの強さを知る初めての機会だった。

この日、先輩は面会の終わる20時までずっといてくれた。

ずっとそばで僕の手を握ってくれていた。
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