シカ☆ラブ
私が5歳のとき、保育園での歯科検診で初めて引っかかってしまった。

お父さんは私が小さい頃事故で亡くなってしまってお母さんが私たち2人を育ててくれていたため、いつも仕事をしていてとても忙しかった。

でも、私が歯科検診で引っかかってしまって初めて歯医者に行かなければならないからとなんとか休みを取って連れて行ってくれた。

歯医者で診てもらうと大きな虫歯が2本もあったそう。

削り始めるとすごく痛くてやめて欲しかったのに衛生士さんたちに抑えられて口も無理やり開かれて泣いても叫んでもやめてもらえなかった。

やっと解放されて終わったかと思ったのに、お母さんがなかなか休みを取れないのでもう1本もお願いします、と頼んでいて、奈々ごめんね…今日もう1回だけ頑張ってね…と申し訳なさそうに言っていたのを覚えている。

その後、1回目で暴れていたため、2回目はベルトでグルグル巻かれて椅子にがっちり固定されて動けない状態で開口器で無理矢理開口させられて治療された。

2回目の治療は1回目よりもずっと痛くてすごく怖かったのをしっかり覚えている。

それがトラウマになってしまって一昨年歯科検診で『虫歯があります』の紙を貰った時は絶望していた。

どうしても行きたくなかった私はその紙をすぐ捨てた。

昨年の歯科検診はどうしたのかというと、その日だけ学校を休んでなんとか回避した。
< 3 / 14 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop